マンションの再生と建替え

マンションに快適に居住し続けるためには、適切な修繕や改修を実施し、建物を可能な限り長持ちさせることが大切です。
鉄筋コンクリートの建物の寿命は法廷耐用年数で48年とされていますが、当社では適切な修繕を行い70年以上使い続けることに取り組んでいます。
しかし、相当の年数が経過すると、たとえ適正な修繕・改修を行っていても、構造安全性や防犯、省エネなど住環境の要求性能への対応が十分とはいえない状況になり資産価値もさがります。
このような場合には建替えを検討することになりますが、気運が高まったときに建替えることができなかった場合、建替え意欲の高かった居住者は、よりよい居住環境を求めてマンションを出ていくことも考えられます。居住者が減ると建替えはますます困難になり、最終的にマンションがスラム化することも懸念されます。
修繕で維持していくことも建替えを決断することも管理組合にとっては大きな問題です。どのように住み続けていくか長期的なビジョンと計画をたて、対応時期を明確にしながら検討していくことで居住者の安心につながるでしょう。

マンション再生に関するマニュアル(国土交通省・東京都都市整備局)

現在マンションストック総数は約560~580万戸となり、首都圏では築50年を迎えたマンションが集中しています。これらの老朽化したマンションの建替えを円滑に進めるためのマニュアルやガイドブックを作成しています。

建替えに関する支援制度

事前検討のポイント

  • 建て替えのすすめ方にはどのようなものがあるか
    • 法律的:組合員の合意を得るための準備をどのように進めていくか
    • 事業手法:自主再建・代行・土地建物譲渡・借地マンション方式など適した方法はどれか
  • 建てられる建物の大きさはどの程度か
    • 建築基準法などの法的規制・容積率の緩和が受けられるかなどについて確認し、建てることのできる規模(延べ床面積)を把握する。
  • 建て替えに必要な費用はどのくらいか
    • 現マンションの解体費、新マンションの建設費、工事中の仮住居費、引越し費、専門家への調査依頼費、設計委託費、建替え不参加住戸の買取り費用、賃借人への補償費などを試算する。
  • 建替え費用を少なくする方法があるか
    • 余剰の住戸を増やす、第三者に分譲する、余剰敷地の売却、補助金の導入、などの資金計画を検討する。
  • 改善効果と費用を比較して、「修繕・改修」or「建て替え」を総合判断する
    • 建て替えによる構造安全性の確保や機能向上、居住性能改善の費用対改善効果を検討する。

建替え事業の種類

自主再建方式 区分所有者の団体が土地を所有したまま建替えに必要な資金を自己調達し、自ら施主となって工事を発註し建替えを行う。
事業代行方式 区分所有者の団体が土地を保有したままマンションを再建するが建築設計会社等への計画策定や工事請負の発注、金融機関や行政との折衝などの具体的な業務をデベロッパー等の専門家に代行してもらう方式。
土地建物譲渡方式 区分所有者の所有する土地を事業者に一旦譲渡し、事業者が新しいマンションを建設した後、改めて建替え参加者が事業者から土地と建物の再譲渡を受けるという方式。(等価交換方式など)
借地マンション方式 区分所有者が土地を事業者等に売却し、事業者等が借地権マンシ ョンを建設し、区分所有者が再建後の借地権マンションを改めて購入(建物購入費は土地譲渡代で賄う)する方式。

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